作品情報

　簡単な背景解説

　本作はグラッツコーポレーション制作の心霊作品です。

　一応連続した型式の5本の作品で構成されています。

・誘拐殺人事件に関わるトンネル

・子供の声が下から聞こえるという橋

・霊園の電話ボックス

・戦国時代の霊がいるという寺

・前作に何か奇妙な物が写り込んでいるという報告

　以上の、都市伝説があると噂されている場所にアイドルの愛葉るびさんとスタッフが取材する、という型式のホラー作品です。

　映像の時間は1時間弱です。

　Prime　Videoのリンクはこちらからどうぞ。

Amazon.co.jp: 戦慄・都市伝説解剖FILE2 お願いだから私をひとりにしないで...を観る | Prime Video
偶然に近い形で入手した不可解な映像と通常では絶対に行なわないような突撃レポートを試みる愛葉るびが今回さらなる恐怖の地雷を踏んでしまうことになる...全てがリアル、全てが悪夢、全てが信じられない... (C)グラッツコーポレーション
 

　本作ですが、注意点としてはかなりドキュメンタリーに近いモキュメンタリーとなっており、視聴者が想像したような事は起きないかもしれない、という点です（詳しい理由は後述）

　感想(ネタバレあり)

　本作の注意点

　まず、本作は最後の一編以外は都市伝説があるとされる現場のレポートを行っているだけです。

　取材先で分かりやすい心霊現象などが起きることは無く、なにかありそうだな、とレポーターの女性が怯えながらレポートするだけという地味めな作品になっています。

　ハードコアなレポート作品…？

　ガチ目ではあるのですが、分かりやすい恐怖映像やびっくりするような仕掛けはありません。その点を履き違えるとすごく評価が悪くなるかも。

　それを除けば、中々ハードコア気味のホラー作品として受け入れられるかな、と。取材に行っている場所や、撮影のクオリティは悪くなく、粗が目立つような点はありません。

　レポーターの人は悪くない

　レポートをこなす愛葉るびさんですが、頑張っている部類だと思います。

　何故か露出度の高い格好をしているのが気になりますが、キャーキャーと騒がずにしっかりと現場の状況を伝えようとしている点は好感を持てます。プロですね。

　棒読みでも無く、出演していて違和感は特に感じませんでした。

　それ以上の何かは無い

　ただ、本作の問題の一つはレポートした以上の何かが無い、という点でしょうか。

　絵面はとにかく地味です。トンネル、寺で移動しながらのレポとなり、残りは噂されている地点に行って噂の真意を確かめる、という構成となっていますが、前述している通り特に心霊現象は発生しません。なので、動きの無い作品になってしまっています…

　悪くない作品も

　気合が入ってるな、と思ったのは最後の寺レポートですね。

　夜更けに長めの石段を登っていくというシチュエーションや、暗闇の中に突然門が現れるというシチュエーションにはかなり尺も割かれており、いい雰囲気の作品になっているかなと。

　一方、最初のトンネルレポは舞台が昼間という事もあり、正直イマイチかなと…　なんでこのシチュエーションを選んだんでしょうね。少しひんやりとしてそうなトンネルではありましたが、特になんの変哲もないボロいトンネルって印象しか受けず、恐怖とは程遠い印象でした。

　というか、トンネルに行く前のパートの方が長かったような…

　シチュエーションがいい作品もある

　橋、寺は割と好きです。シチュエーション的に確かに何かがありそうだな、映っていそうだなという気分になります。

　特に寺への訪問はよかったですね。深夜に石段を登っていき、突如として門や本堂が現れるというのは中々に怖い。このレポーターでなくても怖いと思います。

　橋は短かったものの、同じ深夜に底の見えない橋を覗き込むというシチュエーションが怖いです。落ちそうで怖いですよね、こういうの。　

　全てを台無しにしてしまった最後の映像

　本作の最大の問題点なのですがあまりにもチープでやっつけ感のある幽霊っぽい影が写り込んでいる映像を、何度も何度も繰り返し見せられるというのが最後にあります。

　前４つの映像から、ホラー作品というよりは真面目なルポ物なのかな？と少し考えていた所に突如として冷水を浴びせられたような気分になりました……

　これのおかげで映像作品全体が一体なんだったんだろう、という出来になってしまったなというのが正直な感想です。