『コンクリート・カウボーイ:本当の僕は』あらすじ&ネタバレ感想【Netflix オリジナル映画】

2021年6月20日日曜日

Netflix シリアス ドラマ ハートフル ファミリー 映画 劇場未公開 社会派

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 本作はNetflixオリジナルの映画です。

 本作の特徴は、

・ストレートな親子もの

・都会に馬と住むカウボーイ達を描いている

・アメリカの意外な一面を知れる


 です。では、感想とあらすじをどうぞ!



『コンクリート・カウボーイ:本当の僕は』の概要

 作品概要

 本作はフィラデルフィアに実在する乗馬クラブを題材とした、都市に住むカウボーイの作品です。

 上映時間は111分、吹き替えはありません。

 本作はRotten Tomatoでのスコアは80%、視聴者評価は71%という高評価を得ています。

 


 スタッフ・キャスト 

 グレッグ・ネリの『Ghetto Cowboy』というヤングアダルト小説を原作とした本作は、『Empire 成功の代償』『大統領の執事の涙』を手掛けたリー・ダニエルズが手掛けています。


 主人公のコールを演じるのは『ストレンジャー・シングス』のルーカス役でおなじみのケイレブ・マクラフリン


 その父親であるハープ役はイドリス・エルバ。『マイティ・ソー』シリーズのヘイムダル役や『ダーク・タワー』のガンスリンガー/ローランド役でおなじみの大物キャストです。


 また、コールの友人であるスムーシ役には『ボクらを見る目』のジャハール・ジェローム、乗馬コミュニティに関わる警官のリロイ役には著名ラッパーのメソッド・マンと大物&実力派で占められています。


 また、本作の特徴として、サブキャストとして乗馬クラブの実際のメンバーが出演しているという事。馬に愛着のある彼らの放つ言葉やメッセージにも要注目です。



『コンクリート・カウボーイ:本当の僕は』あらすじ


 素行の悪さで多くの学校から見放された15歳の少年、コール。彼の母親は一計を案じ、フィラデルフィアに住む父親のハープの元へと連れて行く。


 疎遠であったハープはなんと、都会でカウボーイとして生活しており、家には食べるものが無いどころか、馬までいる始末。


 とんでもない場所に連れてこられたとコールはなんとかデトロイトに戻ろうとするが、その中で古い知り合いのスムーシと再会する事に。


 スムーシは麻薬の売人として生活しており、ハープは彼を嫌っておりスムーシとツルむなら家には入れないと宣言。行き場をなくしたコールは馬小屋で馬と共に寝る事に。


 その後、馬の世話を行うことになったコールは車椅子に乗ったカウボーイ、パリに仕事を教わりつつ、自身が半身不随となった原因がギャング同士の抗争である事、そして共に寝た馬はブーと呼ばれる暴れ馬で、一癖も二癖もあるカウボーイ達も手を焼く存在であったが、コールを気に入っている事を伝えられる。


 だが、ハープがパリの為に用意した鞍を巡り、コールは困惑と怒りをないまぜにした感情をハープにぶつける事に。

 

 ハープは父親として何もしてくれていないと主張するコールに対し、ハープはコールの名前の由来がジョン・コルトレーン、父の居ない名ジャズ奏者である事を伝え、自分が居なくても成功してほしかったことを伝える。

 

 ある程度、二人の関係が縮まった後、ブーが野球場で暴れているとの報を受けたカウボーイ達とコールはブーを宥める事に成功し、コールの馬として騎乗させる事に成功。

 名実共にカウボーイとなったコールだったが、その後馬小屋が再開発の為に取り壊されるという話を耳にし、困惑する事に。


 そんなコールに対し、スムーシは自分が麻薬取引を始めた理由として、稼いだ金で牧場を買い、馬と共に暮らすためだったという夢を告げる。スムーシ自身もカウボーイだったのだ。


 その後馬小屋の取り壊しと、馬達の捕獲が行われる。為す術のないカウボーイ達に苛立ちを募らせたコールは、スムーシの夢に協力する事に。

 

 だが、スムーシは麻薬取引の最中銃撃され、命を落とす。そしてコール自身も追われる身となってしまう。


 最終的に逃げ込んだ馬小屋でコールを見つけ出したハープはスムーシの墓を作り、カウボーイとして葬る事を告げる。その為には当局に奪われた馬達が必要である事も。


 その夜市の厩舎に忍び込んだコール達親子は警官リロイの協力もあって馬たちを助け出す事に成功。


 その後、馬たちと共にスムーシを葬る事が出来たコール達カウボーイは馬小屋が取り壊される様子を見つつも、家ではなく家族、つまりコミュニティが重要なのだとコールに向けて説く。


 しばらくした後に、彼の様子を見に来た母親に少し成長した姿と、己の馬となったブーを見せてエンドロール。


『コンクリート・カウボーイ:本当の僕は』の感想

 

 不器用な親子を描いた良作

 いい映画でした。

 いわゆる親子ものですが、二人のすれ違いと和解というツボを抑えており、題材も面白かったです。

 Netflixのオリジナル映画の中でもかなり出来の良い方なのではないでしょうか。


 本筋がしっかりと面白い

 何よりも映画の主題であるちょっとひねくれ、道を踏み外しそうにあるコールと己の辿ってきたような道をコールに歩んでほしくない父ハープの不器用なやり取りが実に良かったです。

 話がコール視点で進むので、もう少しハープに焦点が当たっても良かったかな?とは思うのですが、元がヤングアダルト小説という事を考えると仕方ないのかもしれませんね。


 もうひとつのリアルなアメリカ

 さて、何よりも重要なのは、この映画で描かれているフィラデルフィアの黒人カウボーイ達が実在しているという事です。


 20世紀初頭にフィラデルフィアに移り住んだ彼らは、馬を使い配送業などを行って生計を立ててきました。やがて馬の代わりに自動車や電車の時代になると、不要になった馬を処分しようとする動きが発生します。それを防ぐためにオークションに参加したのが、現在もフィラデルフィアのストロベリーマンション地区で生活している都市のカウボーイ達の起源だという事です。

 https://time.com/5952050/concrete-cowboy-true-story-netflix/


 このストロベリーマンション地区、フィラデルフィアの中心地区から6キロ程度の場所なので都市のほとんど真ん中なんですね。

 こういうところに馬と共に暮らす人々が居るとはちょっと信じられない…


 ですが、映画中で登場人物たち(というより、当人役で出ている本当のカウボーイ達)が語っているように、黒人カウボーイ達の姿が歴史の影に隠れてしまっている事は事実です。
 
 

 かなりオススメ

 苦言を呈する部分があるとすれば、ややハープ側の描写に乏しい所でしょうか。独白ではない彼の素をもう少し見たかったかなと。
 それでも評価は揺るがないのが、この映画。ハートフルな一本を見たいという方にかなりのオススメです。

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