『ニック・ヤリス ~21年間 死刑囚だった男~』 あらすじ&ネタバレ感想【Netflix オリジナル】

2021年6月8日火曜日

Netflix ドキュメンタリー ドラマ 映画 劇場未公開 実話系 社会派

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 『ニック・ヤリス ~21年間 死刑囚だった男~』の簡単な説明


 原題は「The Fear of 13」、この13というのは13階段(死刑執行の際に絞首台へと登る階段の段数の事)の事で、それがずっと監獄生活中に付き纏っていた、という感じのニュアンスでしょうか。



日本ではNetflixだけで配信されているのですが、現在は視聴する事が出来ません。

一応、リンクはこちら(現在は視聴できません

割と面白い作品ではあったので、少し勿体ない気がしますね。


 本作は冤罪によって死刑囚となり、死刑囚監獄に21年間居た男が人生と牢獄での経験を語るドキュメンタリー映画です。

 ドキュメンタリー映画という事で、このニック・ヤリス氏は実在の人物で、その経歴も映画で語られている通りのようです。


 ニック・ヤリスは現在オレゴン州に住んでいるようで、釈放後に地方検察庁に悪質な訴追で訴え、300万ドルで和解を勝ち取っているとのこと。

 また、3回結婚と離婚を繰り返しており、今は4人目の妻と結婚しているのだとか。それと、彼は最近刑事上の虐待と窃盗の罪を認め、投獄された後に2年間の保護観察中となっているようです。

(https://en.wikipedia.org/wiki/Nick_Yarris)


本作の他にも彼を題材とした映画が制作されているとインタビューで語っていたそうなので、そちらも観ることが出来ればいいですね。



『ニック・ヤリス ~21年間 死刑囚だった男~』の感想(ネタバレあり)


 感想としては、まあまあだったかなと。

 語られている刑務所生活はやや偏見が混じっているかな?と思いますが、刑務所の中の面白い話が結構聞くことが出来ます。


 刑務所内のエピソードが面白い


 互いを思い合っている聖歌隊に所属していた受刑者同士が、別の刑務所に送られる事になった日にコーラスを始め、周囲の受刑者達もそれに合わせて歌い出す。

 刑務官達は当然それを止めさせようとするが、普段は厳格な刑務所長が黙認する事で彼らは歌い続ける事が出来た。という話です。

 本当にあったのか? と思うほどに美しい話だと思いました。


それ以外にも、仲の悪い受刑者同士を同じ運動スペース(金網に囲まれたケージのような場所)に入れる事で喧嘩をさせ、それを楽しむ刑務官や、子供のような嫌がらせを受刑者に行う人々、出された食事の骨でナイフを作り、他の受刑者を刺す受刑者の話など……

生々しい刑務所の様子が浮かんでくるようです。


 ヤリスに完全に罪が無いわけではない


 ただ、作中、ヤリスが自身の罪を告白するシーンがあるのですが、やっていることは相当えげつないです。

 薬物の乱用、薬物費用を稼ぐために車の窃盗と売買を繰り返し、逮捕されてからは脱獄も経験しており、その過程で更に窃盗を行った事を告白している事からも、完全に罪がない人が巻き込まれたというわけでもなく、更に死刑判決を受けたのも自信の嘘が理由(情報提供者となり、減刑を勝ち取ろうとしたが嘘がバレてしまい、求刑を受ける)ですし。


 しかし、後から死刑判決が覆っている事からも、あまりにも雑な判決だったというのはわかります。

 その理由がヤリスに言わせれば、新聞で読んだ事を言っただけで、事件について知りすぎていたから状況証拠だけで死刑になった、という無茶なもの。

 しかも再診を要求してもあれこれ理由をつけて行おうとせず、完全に彼が犯人だと決めているような態度を刑務所側、警察側は取っています。

ヤリス自身に責任が無いとは言えませんが、たしかにこれは訴訟で300万ドルもの賠償金を得るのもわかります。


 人はやり直す事ができるのか?


 印象的だったのが、刑務所内での生活中にこれまで読んだことのなかった本に触れ、勉強する事が切っ掛けである女性と出会い、その女性のおかげでDNA鑑定と再審を行うことが出来たという物。

 罪を犯しても新たな道を歩むことができるという可能性を感じさせる言葉でした。


 総評

 総評としては、刑務所ドキュメンタリーというよりは独白番組という感じでした。

 刑務所内での話や生活に興味がある人はどうぞ。


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