『ヴァルハラ連続殺人事件』 あらすじ&ネタバレ感想【Netflix オリジナル】

2021年6月7日月曜日

Netflix クライム サスペンス シリアス ノワール ヨーロッパ 海外ドラマ 社会派

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 作品情報

 Netflixオリジナル作品ですね。

 本作の特徴は

・アイスランドが舞台

・ノワールもの

・男女の警官が主人公

となっています。


 簡単な背景解説

原題は『Brot』、アイスランド語で違反だそうです。かなり直球というか、シンプル過ぎるタイトルですね…

制作はRUV、アイスランド国営放送という事でクオリティにはお墨付きです。と言ってもRUVでは『トラップ ―凍える死体―』や子供向けコメディドラマ位しか制作は行っていないようですが。

配給はNetflixとBBC、全世界向けにはNetflix、英国にはBBCが配給する形となっているようです。

作品へのリンクはこちら




俳優達もアイスランドの方が中心となっており、舞台と相まってかなりのご当地ドラマっぽさがあります。

しかし、話は冷涼なアイスランドの気候のような背筋が凍るようなハードな話でなかなか楽しむ事ができましたよ。


撮影の舞台は作品の舞台と同じレイキャビクで、なんと恐ろしい事に作中の事件と同じ様な事が過去のアイスランドで発生しており、そこから着想を得て創られた作品なんだとか。



あらすじ


レイキャビク港で起きた刺殺事件。それを追う刑事のカタ。

刺殺事件は覆面をした謎の男によって行われた物であり、すぐに次の事件が発生する。

共通しているのは、目に同じ刺し傷がある事。


連続殺人事件となった事件の捜査のため、ノルウェーからアルナー捜査官が増援として現れ、カタと事件を共に調査する事に。

彼は被害者達が抵抗した痕跡が無いため、知り合いの犯行であると感じ取る。

また、二人目の被害者であるオマールの金庫から、10代の少年たちとオマール達が映った写真が見つけ出される。


写真はボルガルネースに存在していた児童収容施設「ヴァルハラ」で撮られたものであり、オマール達は職員であった事が判明し、ボルガルネースの警察署長ホーコンと共にヴァルハラに急行するカタ達。

彼女たちは廃墟となったヴァルハラで刺殺体を発見するが、それは写真に映っていた3人目の女性職員であった。


カタは法務省に残されているヴァルハラの児童達の記録を探る中、アイスランド法務省の検察官であるピエトルと接触。一触即発の事態となる。

カタは警察長官マグナスなどとの諍いや、息子が犯した暴行事件の調査との最中に事件を追うが、彼女の神経は段々と高ぶっていく事に。


一方、アルナーも病身の父や、新興宗教に浸かった妹とその夫との関係など、家族と問題を抱えていた。


そんな中事件は進展し、ヴァルハラに収容されていた一人が法務省に残されていた報告書には記載されていなかった凄惨なヴァルハラの実態と、トミと呼ばれていた少年が消えた過去を語る。そこで浮上したグミと呼ばれる新たな元スタッフの姿。しかしカタ達がグミのところにたどり着いた時に彼は殺されていた。


ヴァルハラの被害者達から聞き取りを行うと、容疑者としてある男の影が浮かび上がるが、消えたトミの父親であるクリスチャンが彼を襲い、重症を負わせる。

その過程でカタから銃を奪い、自殺するクリスチャン。


しかし、容疑者として上げられた男、そして事件には不自然な部分があった。ホーコン達と調査を続けるカタ。

各方面から妨害を受けつつも調査を行う彼女たちが見つけ出した手がかりが指し示しているのは、警察長官であるマグナスの存在。

彼が以前ヴァルハラの事件に関与しており、その事実を隠蔽していたのだ。


その情報をメディアにリークした事で形勢は逆転。彼は行方をくらます事に。

彼を探しだし、事件に決着を付けるべくピエトルの元に赴くカタ。だが、ピエトルが彼女に勧めた酒には薬が入っており、意識不明の状態に。

彼こそがヴァルハラにて少年たちを暴行していた事件の真犯人であり、マグナス達を共謀し、事件を隠蔽していた。


倒れる前に携帯電話を隠すというカタの機転により、アルナーは彼女がピエトルの家にいる事に気がつく。

彼女を追って港へと向かうアルナーだったが、ピエトルに襲いかかられて水の中へと落とされる。

なんとかアルナーを助け出すカタだったが、ピエトルは行方不明となってしまい、事件は完全な決着が付かないまま。

残されたのは、紋章のような腕の傷。ピエトルが少年たちに対して好んで付けていた傷跡と同じものだけであった。



感想

 おぞましく恐ろしい事件の真相

重厚な推理小説のような犯罪ドラマでした。

まさに最初から最後まで濃密で胸が苦しくなるような作品となっています。

個人的なお気に入りはホーコンさん。成り行きとは言えリスクを負って告発してくれるナイスガイです。(もみ消されてしまいますが)


 実在の事件を下敷きにしている事への驚き

本作で扱っているのは実在のものをモチーフにしているという事も差し引いても、実におぞましい事件が描かれているので、そこだけは注意ですね。


 アイスランドというイメージにそぐわないノワールっぽさ

結末がやや後味が悪いものであるのもノワールものっぽいです。

これだけの作品ができる素地がアイスランドという小国にあるのが驚きなほど。

というか国のイメージ悪くなりそうなくらいに作品の出来が良いんですけど、大丈夫なんでしょうか。


 意外とアイスランド人は泳ぐのがお好き?

ちょっと変わったところだと、雪が残る中でもプール(流石に温水のようです)で泳いでいるシーンが印象的です。

調べたところだと、意外と多くの温水プールがアイスランドには存在しているようですね。スライダーなどを備えた本格的な物も結構あるのだとか。


 シーズン2は?

事件そのものは解決してしまっているので、シーズン2はあるのか無いのかちょっと不明瞭ですが、ぜひとも今後を見守りたい作品となっています。


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