『BLACKSPACE シーズン1』あらすじ&ネタバレ感想【Netflix オリジナルドラマ】

2021年8月1日日曜日

Netflix クライム サスペンス シリアス ドラマ 中東ドラマ

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『BLACKSPACE シーズン1』の作品情報 

 今回紹介する『BLACKSPACE』はイスラエル産のドラマです。

 現代のイスラエルを舞台とし、ある銃撃事件によって浮かび上がる学生たちの闇とSNS社会を、隻眼の刑事が暴こうと奮闘する作品となっています。


 本作はReshet 13と呼ばれているイスラエルのテレビチャンネルと、Netflixが共同製作した作品です。
 すでにシーズン2への更新が決まっており、2022年にNetflixで続きが見られるとのこと。

 45分の全8回という短めな内容ですが、アメリカドラマ以外だとこんなものなのかもしれませんね。

 IMDbの評価は6.8と平凡な数字となっています。


 


『BLACKSPACE シーズン1のあらすじ』

 高校で行われた式典に、ユニコーンのマスクを被った4人組が乱入。銃で生徒たち4人を殺害し、多数が負傷する事件が発生した。  

 特別捜査班に所属する刑事ダビデは、母校である高校に赴き、事件を収拾する。その最中、容疑者として3人のパレスチナ人を拘束した。

 しかし、彼は細かな事実から事件の真犯人はパレスチナ人の政治的テロではなく、生徒たちが起こした事件だと主張。 追悼式典で犯人が学生である事を明かし、高校は混乱に陥っていく。

 その最中、学生の一人であり、グループのリーダーであるトムは事件に関わっていないであろう人物をリスト化しはじめる。  

 イタマールリビーといった生徒とがその行動に困惑している中、ゾーハルと呼ばれる生徒が暴行を受ける。犯行現場には『目には目を』との一節が残されていた。

 学生グループはトムの作った安全リストの中だけの関係となっていき、リストの外の生徒たちと仲が崩壊していく。

 一方、生徒のスマートフォンを違法に入手したダビデは、その中から"BLACKSPACE"と呼ばれるアプリケーションの存在を知る。  

 BLACKSPACEは一種の暗号化ソフトであり、匿名でメッセージをやり取りする事ができる。それを利用して学生たちはクラスや学年単位でコミュニケーションしていた。  

 その中ではゾーハルが銃撃犯だとやり取りされており、それを見たダビデはゾーハルと接触しようと動く。

 しかし、ゾーハルは銃撃犯ではなく銃撃犯の襲撃の際、教室に立て籠もってナタリーを見捨てただけであり、そのせいで襲撃されてしまったというのが真相だった。  

 ゾーハルを襲ったのはナタリーに片思いしているガイであり、彼と同じ店でアルバイトをしているイタマールはそれを知ってしまう。

 困惑するダビデだったが、彼はBLACKSPACE上にアップロードされた真の悪人がいる、俺たちはそれを探しているという銃撃犯と同じマスクを被った謎の存在からのメッセージを目にした。  突如アップロードされた動画の場所に見覚えがあったダビデはその場所へと赴く。そこは学生のたまり場となっている空き地であった。  

 そこで、モラグは銃撃事件は犠牲者4人を標的にしたものでも、無差別殺人でもなく、生徒たち全体に向けて何らかのメッセージとして行われたものではないか、と口にする。

 マーヤンの情報提供によりリフとシャウールを銃撃事件の容疑者として逮捕する警察。それを知ったトムの呼びかけによりパーティーに興じる生徒たち。

 そこでリビーはガイから、イタマールを弄ぶなと警告を受ける。彼女はトムと行為を行いながら、内気なイタマールをからかうようにアピールしていたのだ。  

 また、パーティーでトムの妹のシールオマーは薬の売買を通して関係を深めていく。

 逮捕した二人の尋問を行うダビデとモラグだが、シャウールは事件中に撮った動画が、リフには事件中に共に居た浮気相手の存在が発覚し、事件は振り出しに戻る。  

 釈放されたリフに対してたまり場となっている空き地で私刑を行うトム達。それに対して、リフは空き地を燃やす行動に出る。

 空き地の放火現場の調査を行うダビデだが、焼け跡から放火とは関係のない別の痕跡を発見する。それは3Dプリンターで武器を作ったという証拠である撃針であった。  

 それだけではなく、犠牲者であるドールが3Dプリンターで銃の部品を作っていた事が明らかに。

 それを知ったのか、ドールの母親は彼の日記を捨てようとした後に自殺未遂を図る。その後、ドールの家を訪れたダビデは、彼のパソコンに触れていた謎の侵入者と遭遇する。  

 ダビデから逃げ延びた侵入者の正体はエラン。彼はパニックのあまり、手にしていた3Dプリンター製の銃でダビデを殺害しようと計画する。

 一方、BLACKSPACE内でイドという、以前に亡くなったドールの友人が話題に出たのをきっかけに、BLACKSPACEを管理するオマーはある動画のログを発見する。  

 それは、イドがトムの一味にリンチされている姿。そして、動画に映っていた者達はトム以外全員銃撃事件に巻き込まれ、死んだという事。オマーは好意を持つトムの妹シールに対して動画を見せるが、彼女は自らの体と引き換えに隠蔽を依頼してくる。

 トムはシールがオマーに動画を削除させた事を知り、動揺。リビーに対して異様な行動を取り始める。

 親と喧嘩となり、アルバイト先で泊まり込んでいたのを見かねてダビデが家に連れてきたイタマールの目の前で、ダビデの妻が突如として倒れるなどのアクシデントが起きる中、ダビデはモラグに協力して捜査を続ける。  

 だが、トムは水泳中に突然発作を起こして溺れ、そのまま死亡。検死も行えないまま埋葬されてしまう。

 イタマールは鍵を借りてダビデの家を訪れるが、同行したガイが勝手に家の中の事件資料を撮影。  

 一方、ダビデは妻の看病中に現れた高校の校長と衝突。彼の片目が失われた暴行事件の際に校長は評判を守るために事件を隠蔽していたのだ。そしてイドの死も自殺であったのを校長はダビデの事件と同じように隠蔽していた。  

 理由としては、イドは同性愛者であり、地元の名士の息子と関係を結んでいたが、その評判が明るみになり失恋。それによって自殺したのだという。

 トムの死を受けてオマーはシールに対して薬の事を口止めしようと動き、イタマールは傷心のリビーに告白。  

その頃、ダビデ宅を訪れたモラグはトムの検査結果を極秘で行い、彼の血液から抗鬱剤を始めとした大量の薬物反応が出た事を知らせる。そのまま深い関係に陥りそうになる二人。

 一方、ドールの墓を訪れていたエランは、何者かに電話を受け、銃撃事件に関与した事を悔やんでいる事を告げる。そして、事件解決を祝う生徒たちのパーティで何かをしようとしている事も。  

ナタリーとガイはゾーハルを呼び出し、彼が銃撃事件の最中に目撃した事を聞き出す。それはトムが銃撃犯達に銃を向けられていながら、そのまま逃された、そしてそれを事情聴取で話さなかったという事実。  

 彼女はBLACKSPACE上にその事実を書き込み、情報を求める。

 一方、薬物の違法取引の件でオマーに接触したダビデは、その件を見逃してもらう代わりにある動画を目撃する事に。それは彼が以前BLACKSPACEのログで見つけた、トムの一味によるイドのリンチの光景。  

 その情報を元にエランを逮捕する警察。だが、ダビデは同時にある事に気がつく。動画でイドをリンチしていた人物はトムを含め全員殺害されたが、その撮影者はまだ見つかっていない事。つまり、まだ事件は終わっていないという事に。  

 リンチ動画を分析していた班が撮影者がリビーである事に気が付き、同時に生徒たちが学校に集まり、何かをしている事が発覚。


 リビーを救うため、ダビデはパーティ会場に単身突入する。  

 パーティ会場ではマーヤンとオマーをリンチしようとするシールとその一味が講堂に、そして3Dプリンターで銃の部品を印刷している謎の存在が躍動していた。

 銃撃犯は二人存在し、トイレで合流する。その正体はリビーとイタマール。二人は償いとしてエランと共に銃撃事件を起こし、最後の一人を殺すべく動き始めていた。

 そのエランはモラグに尋問されている最中に事実を語り始める。イドへの虐めに加担していた高校生たち、そして教師たちも同罪だと言うのだ。そして校長も関与していると。  

 銃撃に参加したドールを殺したのは、彼が仲間の正体をバラすと言い始めたから。そして彼は自白後に隠し持っていた銃で自殺。

 イタマールとリビーは学校を訪れていた校長に銃を向ける。彼こそが銃撃犯(リビー・イタマール・ドール・エラン)の最後の目標だったのだ。リビーはイドの動画を校長に送ったが、彼は事件を公にするどころかもみ消した。  

 講堂ではマーヤンとオマーの元へはシャウールとリフが現れ、シールに銃を突きつける事で形勢逆転。だが、突如として始まった放送により彼らの手は止まる。

 銃で脅した途端に自己弁明を始めた校長の言葉が全校中に流され、その中で事件の隠蔽を行っていた事も彼は告白。そしてリビーたちを出来損ないと嘲った後、事件を隠蔽してやる代わりに自分を助けろと懇願。  

 校長の射殺を阻止すべく突入したダビデは銃弾を身に受けながらイタマールを屋上へと追跡。(リビーは逃走に成功)そこで事件を引き起こした真相を彼の口から聞くことに。

 社会全てを恨んでいたイタマールを、自身の過去の経験を通して説得するダビデ。イタマールは彼に従い投降。自分を信じてくれたイタマールに筋を通す為、ダビデはルッソに自分以外と話させないように要求する。  

 そして、ダビデはもうすぐ子供が生まれる妻の元へと向かうが出産に立ち会う事は出来ず、子供を抱く妻を見ながら目を伏せ、エンドロール。

『BLACKSPACE』の感想

『いじめ』をテーマにした骨太な作品

 タイトルや銃撃事件というショッキングな内容からは想像出来ませんが、学生達のいじめをテーマにしている作品です。
 スクールカーストの中で起きた不条理な出来事に対して怒り、反撃を行う被害者達。その怒りはいじめの加害者だけでなく、それを見て見ぬ振りをしていた他の生徒たち、そしていじめを隠蔽した教師たちにも向けられていた…
 というよくありがちな話ではあります。それに加えて裏サイト的なSNSに3Dプリンター製の銃といった今風の要素が加わった感じでしょうか。

とにかく登場人物が多すぎる

 問題は、見終えてからはテーマは分かるものの、見ている最中は登場人物となる生徒たちが多すぎる上に何が目的なのかが明かされるのが最終盤である為、テーマも分からないまま翻弄されていく事です。
 いくつか存在するグループ同士の諍いに、事件を受けて揺れ動く生徒たちの姿を描きつつ、主人公である刑事の家庭環境や過去まで絡んでくるというややこしさ。
 はっきり言ってダラダラ見で理解できる作品ではありません。

面白い要素はあれど…

 前述した通り、話のややこしさに対して尺が足りていない印象を受けました。 特に気になったのが

  • 結局ダビデの詳しい過去は語られない
  • 事件前後の犯人達の様子も描かれない
  • トムがあっさり死ぬ
  • 校長はなぜ最後に学校を訪れていたの?

 と、箇条書きにすると結構不満が出てきます。

続編は?

 本作はシーズン2以降の展開も匂わせる伏線が存在しています。

  • 逃げ延びたリビー
  • 妻との関係を修復できず、モラグと関係を深めていたダビデ
  • やや強引な解決となったシールとリフ達の関係

 気になるのは、やはり逃げ延びたリビー。事件の真相を知っている彼女が逃げ、銃撃犯達は高校の生徒たち全員が敵であると言っていた事からも再び事件を起こす可能性は高いのではないでしょうか。

『BLACKSPACE』の他の方の感想

 

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