『アーカイブ81』あらすじ&ネタバレ 感想【Netflix オリジナルドラマ】

2023年3月8日水曜日

Netflix Netflix独占 アメリカドラマ サスペンス ホラー

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『アーカイブ81』の簡単な概要

 本作は2022年制作のNetflixオリジナルドラマシリーズです。制作を努めたのは、『SAW』シリーズでお馴染みのジェームズ・ワンがプロデューサーを努め、『ザ・ボーイズ』でも監督を務めているレベッカ・ソネンシャインが監督となっている実力派の揃った作品です。

 本作は全8話で、シーズン1での打ち切りがすでに発表済みです。

 2022年1月のアメリカでの視聴ランキングTOP10入りを果たしていたのですが、同年3月にはすでに打ち切りが決定していたようで、このキャンセルは驚きを持って受け入れられたとのこと。

 主人公であるダン役の主演は『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』でコール役、『ゲットダウン』でグランドマスター・フラッシュ役を演じたママドゥ・アティエ。もう一人の主人公であるメロディ役は『オルタード・カーボン』などに出演していたディナ・シハビが努めています。

 Metacriticのスコアは73、ユーザースコアも7.1と、評論家・ユーザーからも大絶賛を受けているというレベルでは無いですが、平均を遥かに上回っている評価を得られている作品であっただけに、1シーズンのみとなっているのはもったいないな…というのが正直なところ。

『アーカイブ81』のあらすじ

  8mmテープの修理を手掛ける主人公のダンはある時、一本のテープの修理依頼を手掛ける。その中に映されていたものは、『ヴィッサー』と呼ばれるとある集合住宅の歴史や住んでいる人物について調査を行おうとしている女性、メロディの記録であった。
 そのビデオ記録の中に、ダンがかつて飼っていた犬とメロディが写っている写真を見つける。過去に実家と家族を火事で失っているダンは、テープの修理依頼を与えてきた謎の人物ヴィクターと接触。

 ヴィクターはダンにメロディの残したヴィッサーの記録テープの修理依頼を与えてくる。報酬も豪華、条件はただ一つ、人里離れた別荘施設で作業を行う事。
 奇妙な雰囲気を醸し出す別荘の管理人などに怪しいものを感じるダンではあったが、自身の過去との繋がりを見出し、依頼を引き受ける。

 そして、ビデオの調査の途中で今は亡きダンの父親スティーブの映像を発見する。
 ヴィクターはダンの身元と、スティーブとの関係を知っていて依頼を行っていたのだ。依頼の異常さに気がついたダンは、友人のマークに連絡を行い、ヴィクターの会社や、ビデオに残されていた断片的な情報を伝え、捜査してもらうように伝える。

 一方、ビデオ記録の中ではメロディはジェスと呼mばれる少女に協力してもらい、サミュエルを始めとするヴィッサーの住人たちにインタビューを行っていく。
 その中で、通風孔から異様な声や音が聞こえたり、マンションの4階には足を踏み入れるな、などとヴィッサーの異様な実態が垣間見える。

 そして、メロディがスティーブの患者であり、カウンセリングを受けていた事が明らかに。
 さらに彼女は、深夜に住人たちが集会室に集まり、カエレゴと呼ばれる謎の像を前にした異様な儀式を行っている光景を目にする。

 調査を進める中で、別荘に奇妙な物を大量に見つけ、調査について疑問を持つダン。
 彼にヴィクターはあるヒントを与える。彼が家族を失う原因となった火事を引き起こしたのは、父スティーブだと。

 その事実を信じられないダンだったが、調査の途中でダンは奇妙な幻覚を見る。突如別荘の廊下がヴィッサーの廊下のような間取りに見えたり、目の前にメロディが現れたり… 幻覚を疑うダンは、更に調査へとのめり込んでいく。

 ビデオの中で、メロディは神父がジェスを悪魔祓いしようとしている現場を目撃。なんとかジェスには悪魔が憑いており、それを祓おうとしているというのだ。
 更に、メロディはアパートの住人カサンドラへのインタビューの中で、自分の持つペンダントがカルト集団と関わりがある事、母であるジュリアがヴィッサーにたどり着いていた事を知る。
 一方、カサンドラは彼女の妹であるエレノアが使っていた絵の具を、メロディの友人アナベルに与える。それ以来アナベルはメロディに目もくれず、一心不乱に奇妙な絵を描くように。

 調査の最中、メロディは再びダンと接触。そこで彼女はダンの父がスティーブである事を知り驚愕。
 彼女経由でダンは、父スティーブが次元や魔術について記述している謎の論文を手に入れる。

 メロディはカサンドラの主催した降霊回に参加。そこでジュリアを降霊させようとしたが、降霊の途中で依り代となった住人が何か見てはいけない物を見てしまい、突如として自らの顔を引き裂き始める。
 降霊回の後、メロディはヴィッサーの中で封印されていた階で一心不乱に絵を描き続けるアナベルと、その階で奇妙な歌を歌う謎の集団を目にする。
 謎の集団を調べる過程で、奇妙な現象にはヴィッサーに生息するカビが関わっている事、そしてサミュエルという人物が、遥か昔から存在し、儀式のために活動していること、己のルーツである魔女組織、バルダングの存在もメロディは知る。

 一方、ダンは自分と同じ様にテープを修復していた前任者がいた事、そしてその男は狂ってしまった事を知る。そしてその過程で画面の中から這い出ようとする謎の存在を目撃した後、別荘の地下に奇妙な儀式のための部屋を発見。
 その後ヴィクターから解雇されるが、マークと共にメロディの友人であったアナベルを発見。彼女からメロディは「アザーワールド」と呼ばれる空間にまだ居ることを知らされる。

 アナベルから、ジェスが残した記録テープを預かるダン。テープには、カエレゴ召喚の儀式を遂行してしまった事で、メロディとサミュエルがアザーワールドに捕らえられた事が明らかとなり、ヴィッサーの火事はその儀式が原因だったこと、ダンの家族が死んだ火事も、スティーブが儀式を妨害しようとした為である事が示される。

 メロディ救出のために動くダン。そんな彼に別荘の管理人が力を貸す事に。
 管理人こそがメロディの母親であり、長年ヴィクターを誘導し、メロディ救出のために準備を整えていた事を明かす。

 メロディの母の協力を得てアザーワールドへと足を踏み入れ、メロディを救出しようとするダン。家族を模した幻影を振り切り、メロディと出会うことに成功。しかし、カエレゴがついにその姿を現し、二人を妨害。

 更にアザーワールドの中に潜んでいたサミュエルの妨害もあり、アザーワールドから抜け出て現実へと戻ることが出来たのはメロディだけであった。
 そして、一人取り残されたダンは病院のベッドの上で目を覚ます。そこで彼が見たものは、現在が1994年である事を告げるテレビであった。

『アーカイブ81』の感想

打ち切られたのがもったいない良作

  謎のテープを巡り、過去と現在を行き来する本作。仕掛けられた謎と、冒頭のシーンに繋がる展開、そして衝撃のラスト。
 これで打ち切られてしまうのか…というのが正直なところ。他の打ち切り作品にありがちな、「そりゃ切られるよな~」という所が殆どない本作。
 Netflixの打ち切り基準がちょっと気になってしまうところです。

原作では…

  冒頭で述べたように、本ドラマには原作としてポッドキャストが存在しており、現在ではシーズン3と特別編が2つ放送されています。
 ポッドキャストの内容的にシーズン2からが本番であるであろう事は確かです。それだけに余計打ち切りがもったいない…
 簡単に説明すると、ポッドキャスト版でも姿を消したダンは別世界に誘われ、それを探しにマークもまた別世界へと赴くが…という内容です。
 更に、ポッドキャスト版のシーズン2では、"シティ"と呼ばれる謎の空間に入り込んだダンは、体の大半をオーディオ機器に置換されてしまっている事が明らかに!

マークというキャラクター

原作のポッドキャストだと、この後マークがアザーワールド側に着いてしまうようで、実際ドラマ版のラストでもそれを思わせる描写がありました。
ただ、原作ではダンの残した記録を元に、マークがその足跡を追うという構造であったのに対し、ドラマ版では共に調査を行っている事などがだいぶ原作とはかけ離れているので、続いていても同じような展開になっていたか、という点については怪しい所かも?

今後の展開はあるのか?

  豪華メンバーと高額の割の反応が得られなかったという事で打ち切りとなってしまった本作。
 どこか『ゲット・ダウン』などのNetflix作品に似ているような気もします。
 本作自体には関係のない話ではありますが、Netflixは作品の供給量と宣伝量とが釣り合っていないので、気が付いたら放映されていて、気が付いたら打ち切られていたというのが結構ある気が…

ジュリア・チャンの演技に注目!

  色々あった本作ですが、作中で重要な要素を担うサブキャラクター、アナベルを演じたジュリア・テイラー・ロスことジュリア・チャンの演技も要注目ポイント。
 医療ドラマ『Saving Hope』でメインキャラクター役を務めているイギリスを中心に活躍されている俳優さんです。

 本作で演じるアナベルですが、屋敷の持つ魔力と、奇妙な絵の具に取り憑かれて変貌していきつつも、どこか憎めないキャラクターとして強く印象に残っています(彼女が強すぎただけに、黒幕であるサミュエル役のエヴァン・ジョニカイトはあまり印象的では…)
 神経質そうだけどお節介焼きで、メロディと親しい画家と屋敷の魔力に取り憑かれ、得体の知れない絵画を描き続けた挙げ句にダンとメロディを繋ぐ役目を果たす、という二面性があるキャラがアナベルなのですが、それをばっちり演じきっています。

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